0709 そしてばななが読めるようになった
こんばんは、切実です。
Amazonの誤配達(結局どこに配達されたんだ?)で、届いたことにされていた吉本ばなな『はーばーらいと』を本屋で買いなおして読みました。ということで、1週空いてしまいましたがばななのはなしの後編として、今まで読んだ作品を紹介します!内容紹介というよりは、読んだときに抱いた印象なので(読書メモを残さなかったので覚えてないのです…)サラッとお読みいただければと思います!
(2020年夏の終わり)あまりの名言の多さに驚いた記憶があります。持ってる小説のなかで一番ふせんを貼っているかもしれません。去年の夏に再読しているんだけど、その時は恋愛に悩んでいて「どうして他人のつらさにこんなに影響を受けるんだろう」と辟易しているときだったので、えり子さんの「世界は別に私のためにあるわけじゃない。だから、いやなことがめぐってくる率は決して、変わんない。自分では決められない。だから他のことはきっぱりと、むちゃくちゃ明るくした方がいい、って。」という台詞に救われました。そうか!他人のつらさを分かってあげなくたっていいのか!一緒に落ち込んでなくていいのか!と。きっと読むたびに違う場所がわたしを救ったり支えたりしてくれる一冊なんだろうなと思います。
(2022年真夏)yちゃんがおすすめしてくれて読みました。真夏の真昼間のクーラーギンギンの室内で読んだのもあいまって、すごく清潔で静かで世界から切り離されたような心地で読んだ記憶があります。ばなな作品ってどれも白昼夢っぽいというか、どうしてもリアルじゃないなぁという印象をわたしは持ってしまっているので(それが悪いとかではなく)、そこに「眠り」というテーマが加わるとさらに夢っぽさが増すと感じました。
(2023年春)わたしが上下巻を読める日が来ると思わなかった…!これもやっぱりyちゃんが前におすすめしてくれたもので、買っておいたけどなかなか腰が重かった一冊。笑 結構スピってる度が高いな~と思ったけど、わたしは占いとか非科学的なものを「あるよな~」と軽やかに信じてるタイプなので読めたけど、タイミングによっては「やっぱり吉本ばななは読めん!」と思っていたかもしれないです。
(2023年6月)恋愛短編集。大川端奇譚が好きでした。どの作品も薄ら明るく生ぬるい感じがあって、それがばなな作品の特徴なのか、書かれた時代(これは1996年)の空気感なのか、どうなんでしょう。どの男女も浮世離れしていて、よくもまあそんなことを考えたり言ったりするよなぁと思いました。みんな自分の意見や思想をしっかり持っていて、分かるなぁと共感は基本できないんですが、なるほどねぇそうかもなぁと思わせる説得力があって、それを楽しみに読んでるのかもしれません。
はーばーらいと(未読の方ご自衛ください)
やっぱりみんな達観していて、十代後半の子たちがそんなにはっきり物事を考えて行動するかねぇと思ってしまうけど、リアリティ云々ではないよねと思いなおして読了。宗教2世のひばりは、両親を目覚めさせようとするけど、それはそれで自分の信仰による勝手な行為ですよね。人それぞれ、なにをどのように信じて生きていくかって当たり前に自由なんだけど、血のつながりとか救われたという強烈な経験とかが縛りになって、その思いを盲目的に・無条件に信じてしまう気持ちは分かります。そして、それを愛する人に分かってもらいたくなるのも、やっぱり当たり前の感情なんだろうなと。ひばりの両親もその団体の人たちも純粋に「善」をやっているんですよね。
それにひばりだって、つばさを(その家族を)信仰しているわけで、わたしはそこに恐ろしさを感じました。好きという言葉に内包できないくらい激重な感情が全面に出ていたから。団体の教祖がふつうのおじいちゃんだっとことにつばさが驚いたように、ふつうの19歳男子のつばさがひばりにとっての教祖になっているじゃないですか。そのことに気づいてない…のかな?ってところが、わたしには怖かったです。
吉本ばなな作品って、彼女自身の思想がすごく入っていて圧倒されるものがあります。柔らかくも膨大なエネルギーの圧みたいなものに、潰されるときもあれば守られるときもありますね。お気付きの方もいるかもしれませんが、わたしは吉本ばななを好きになったわけではありません。たしかに読めるようになったし、『キッチン』には影響を受けたけど、ピンと来ない作品もあるし、それくらいの距離間がちょうどいい作家だなと思っています。(ブックオフで衝動買いした本たちもその時を待ってもらってるし)2回に渡って書いてるわりにどんなオチだよ、って感じですがこれが今のわたしの等身大の「ばななとわたし」です。
最後に、前回いただいたマシュマロをいくつか取り上げさせていただきます。
たしかに。このマシュマロを読んで持ってる本をみたら吉本ばなな表記が多かったので、今回は漢字で書いてみました。決まりはないのかしら。まりかのいばりばなな、ちょっと意味が分かりそうな文章でおもしろいですね。家族のみなさんのほっこりした顔が浮かびます。
『キッチン』から入る人がやっぱり多いんですかね。『哀しい予感』積んでます。『ミントとふびん』は本屋で見かけるたびに気にはなっていたけど、単行本は『花のベッドでひるねして』で苦い思い出があるので買わなかったんですよね。でも『はーばーらいと』を読めた今ならいけるかも。
ありがとうございます!そうね~作家しばりに限らず、本との思い出を思い出せたら書きたいです。学生の頃の本の話とかね、なにかあったかしら……!
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それでは、今日も最後までお読みいただきありがとうございます。また来週のレターでお会いしましょう。以上、切実でした!
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