【#本読む私たち】大学3年生Wakanaさんの読書遍歴
1冊目『モモ』ミヒャエル・エンデ
出会った年齢
12歳
きっかけ
小学六年生のときに出会いました。題名だけは知っていて、あっこれ有名な話やんな...?って本屋さんで見つけて母か祖母に買ってもらったような気がします。
コメント
話の内容に踏み込んでしまうのですが、この本は「時間とは何か」「時間の大切さ」を教えてくれます。人間から時間を奪う「時間どろぼう」が現れるのですが、あまりにも怖くてぞっとしたのを今でも思い出します。時間って有限だから、大切にしなくちゃ、と幼いながらに感じさせてくれた本です。
実は最近再読しました。読んだのはおそらく10年ぶりくらいでしょうか...…。この頃なかなか早起きができず、時間を無駄にしてしまっている自分が嫌で、原点回帰をしようと手に取りました。
この本は児童文学ですが、大人になった今でも充分に楽しめます。作中での言葉の表現こそ子ども向けに書かれていますが、内容はそれ以上の重みがあります。ファンタジー文学でありながら、現代社会の問題に切り込む諷刺的な要素もある作品です。私はきっと、この先何度も読み返すのだろうなと思うくらいに思い入れのある本です。
2冊目『校閲ガール』宮木あや子
出会った年齢
15歳
きっかけ
この本が原作のドラマをテレビで観たときに知りました。
コメント
この本との出会いは、「校閲」という仕事との出会いの瞬間でもありました。それ以来、私は「校閲の仕事がしたい」と思うようになり、今はこの夢を叶えるために就活に励んでいます。私自身を語る上では欠かせない本です。
「校閲ガール」で校閲という仕事に興味を持ったんですね!具体的にどういった部分に惹かれたのでしょうか?
「文章をじっくり読める仕事」という点に惹かれました。幼い頃から本を読むことが好きで、文章を追うことが好きだったので、出会った当時は「自分の好きなことが仕事にできるんだ!」と感じていました。 そして、校閲という仕事について調べていくうちに、校閲は「私たちが毎日不自由なく正しい情報を受け取ることができている」という「当たり前」を守っているんだと感じ、その「縁の下の力持ち」のような存在がとてもかっこいいと思うようになりました。
3冊目『楽園のカンヴァス』原田マハ
出会った年齢
19歳
きっかけ
ふらっと立ち寄った本屋さんで目にし、『暗幕のゲルニカ』とともに手に取ったのがきっかけです。原田マハさんの小説を初めて読んだ時でもあります。
コメント
この本をきっかけに、美術館や博物館に積極的に足を運ぶようになりました。また、美術の知識をたくさん学びたいという思いが生まれました。原田マハさんの小説は、本屋さんや図書館で見つけるたびに買ったり借りたりして読んでいます。現時点で出版されている原田マハさんの本を読破したい...…!と密かな野望を抱いています。
4冊目『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子
出会った年齢
21歳
きっかけ
2022年上半期の芥川賞候補作・直木賞候補作を全部読もう!と思って手に取りました。装丁が黄色でかわいいなというのが第一印象でした。
コメント
私自身が大学で学生新聞を作っていることと、この本を書かれた高瀬隼子さんが、私の大学のOGということから、取材に行かせていただいたことがありました。自らがこの小説を読んで思ったこと、感じたことを直接高瀬さんにぶつけることができ、貴重な時間を過ごしました。表紙にサインまで書いていただき、一生の宝物です。
食べものが扱われた小説は、穏やかであたたかいイメージがあったのですが、この小説は話の内容や表現がどこまでも他人行儀で冷めているように感じられて、読んだときは衝撃的でした。
高瀬さんにインタビューしたんですね! それは貴重な経験でしたね。ちなみに、学生新聞の記者になったきっかけや理由は何かありますか?
校閲という仕事に出会ったことが大きいです。実際に校閲という作業を大学時代に経験できれば、将来的に就活で有利になるかもしれない、と思っていました。そこで、大学1回生の春にそういうことができるサークルを探したのがきっかけです。
当時はちょうどコロナ禍が始まったところで、入学式も新歓もなくサークルを探しにくかったのですが、今思えば、あのとき思い切って飛び込んで良かったと心の底から感じています。
5冊目『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』大前粟生
出会った年齢
21歳
きっかけ
大学生協の本屋さんの入口近くで置かれていたのを目にしました。映画化が決まっているということと、たしか文学YouTuberの梨ちゃんさんが動画内で紹介されていたような...というかすかな記憶が残っていたことから手に取りました。
コメント
実は切実さんの読書アンケートでも回答した内容で、被りが出てきてしまうのですが、私はこの小説がきっかけで自身でも言語化できていなかった自分の性格を知ることができました。また、こんなに読む進めるのが惜しくなることっててあるんだ...!と思った小説でもありました。やさしくてどこか儚くて、丁寧さを思わせる表現で、とても好きな小説になりました。大前粟生さんは、私にとってこれから追いかけたい作家さんになりました。
あなたにとって「読書」とはなんですか?
生きる上で無くてはならないもの。自分の知らない自分を教えてくれる標(しるべ)となるもの。
本が好きになっていなかったら今の夢は持っていなかったし、大学で日本史を専攻することもなかったです。それくらい、私にとっては生活の一部です。
自分が生きている中で考えることもなかったようなことを、本を読むことで考えさせてくれるのも、私にとって読書が魅力的である理由のひとつです。本を読む楽しさをこれからも忘れないでいたいです。
「本が好きになってなかったらー日本史を専攻することもなかった」とありますが好きな歴史小説などありますでしょうか?日本史を専攻するにあたったエピソードのようなものはありますか?
好きな時代小説は、澤田瞳子さんの『若冲』です。伊藤若冲の半生を描くお話なのですが、すごく読みやすいと思います!また、伊藤若冲だけでなく、同時代に活躍した日本の画家との関わりも描かれていて、さまざまな角度から伊藤若冲の人となりを知ることができて、物語としてとても厚みのある小説です。
大学で日本史学を専攻することを決めたのは、中高時代にお世話になった日本史の先生の存在が大きいです。もともと何かを覚えるのが得意だったことから日本史は好きだったのですが、授業で先生が息を吸って吐くくらいの感覚で楽しそうに用語の意味や解説をしていたのがすごく面白かったのです。そこから日本史という学問がさらに好きになり、もっと深く学んでみたいと思ったことから、日本史が専門的に学べる大学へ進みました。
また、これは日本史に限らず世界史もそうだと思うのですが、時代を経るごとにさまざまな人物が出てきたり事件が起こったりするのを順になぞっていくのが、長いお話を読んでいるみたいに感じられたのも、日本史を好きになって大学で学ぶことを決めたきっかけです。
今読んでいる本を教えてください!
コメント
私に影響を与えた本を5冊、出会った年齢順に選ばせていただきました。こうして読書遍歴を振り返る機会はなかなか無かったのでとても楽しかったです。今回のインタビューは、自身のこれまでを振り返り、これからに思いを馳せる時間になりました。
入口やきっかけがどこからであれ、私と同じくらいの年代の人や、私よりも年下の人で、一人でも多く読書を楽しむ人が増えてくれたらうれしいなと思います。同時に、私がここに挙げさせていただいた本を、この記事を読んでくださった方が読むきっかけになっていればさいわいです!
編集後記📝
今回、Wakanaさんのお話をお伺いしながら「こんな大学生でありたかった…!」と強く感じました。やりたいことを見つけて、それに向かって行動ができるのって素敵なことですよね。文章もわかりやすくて、さすが学生新聞の記者を経験しただけあるなぁと感心しました🙂
就活で多忙のなか、迅速にご対応いただきありがとうございます。落ち着いたらスペースでもお話する予定なので、楽しみにしていてくださいね💬
『#本読む私たち』募集再開のお知らせ
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