【#本読む私たち】社会人mikiさんのオススメ本
さくらももこ『おんぶにだっこ』
「もしも、太陽がもえつきたら……死ぬんだ……」と思っていたのは、6歳のころ。天才か!!!!ももこさんの奥深さに、びっくりする自伝エッセイ。二歳になっても「あんた、いつまで飲む気だね」と言われながらも乳離れしようとせず、ニシキヘビに興奮し家にあったマムシ酒のヘビにうっとり。星が欲しくてしょうがなかった四歳は、その後あの「たまちゃん」と小学一年生の時に運命的に出会う──。人一倍ナイーブで、なぜかいつも悩んでいた幼年期。「まる子」以前のピュアな気持ちを初めて書き綴った、さくらももこの原点となる自伝エッセイ。
さくらももこさんの幼いころのエピソードが集まったエッセイ集です。
有名すぎるさくらももこさん作品を、本好きの方が読むであろうこのアンケートで紹介していいのか…?とも思いましたが、最後の『松永君をぶった』が刺さりすぎたので語らせてください。
さくらさんのエッセイが大好きで高校生のころ読み漁ってました。さくらさんのエッセイといえば、電車内でもつい吹き出してしまうほど笑えたり、たまに切なさや感動があってほろっときたり、というイメージで、今作もそれに違わず楽しんでいましたが、最後の最後に読みながら涙が止まらなくなって挙句の果てには嗚咽寸前に。
私は『罪悪感』や『自己嫌悪』というのが本当に苦手な感情です。
というのも、幼いころから外面がよくて「しっかりしてるね~」と言われてきてたタイプで、子供のころは結構「自分が正しい」と思い込んで意見を主張するタイプでした。今思い返せば、その私の傲慢さで傷つけた人がたくさんいます。この『松永君をぶった』の中には、そんな罪悪感が表現されているように思えて、すごく感情が揺さぶられました。(もちろん、さくらさんはそんな傲慢な性格ではないですが..)
私は過去の傲慢な自分がすごくすごくコンプレックスで、周りの人にも言えなかった(というか言いたくなかった)ので、これまで誰かとその気持ちを共有したり、話して共感を求めたりができませんでした。だから同じように、人を傷つけて自己嫌悪に陥った経験を共有してくれたことが、私にとっては大きかったです。読みながら、そのときのももこの気持ちがわかりすぎて、つらかった。
でも、このエッセイの最後に「私は、この哀しさをずっと忘れないだろう。大人になってからも、きっと。」とあります。今まで、過去に人を傷つけた経験を思い出しては今更どうすることもできないもどかしさに苦しんでましたが、(傷つけた側が苦しんでるというのもまた勝手な話…)そうやって傷つけた分、哀しみを忘れず戒めにしていこうと、自分の中であきらめがついたというか、気持ちを切り替える方法を見いだせて、とても救われました。
さくらももこさんのエッセイの感想で、こんな重いことある?!って感じですが大丈夫でしょか。。。笑 自分の経験や性格に基づいての感想なので、他に方には全然ピンと来ないかもしれないです。ごめんなさい! 他のエピソードは、いつものイメージと違わず笑えたりホロッとときたりできます。 これまでの作品よりは、笑える<ちょっと考えさせられるエピソードが多めかも? さくっと読める長さのものばかりだったので、気が向いたら読んでみてください☺
ーさくらももこエッセイを読むようになったきっかけはなんですか?
うろ覚えですが、高校生のときにナツイチに入ってて、なんとなく手に取ったのがきっかけだった気がします。『ももこの話』『たいのおかしら』の両方にナツイチ2010の帯が付いてるので、1冊読んでハマっちゃってすぐ買ったみたいですね。
ーさくらももこ作品で他に好きな話があれば教えてください
①『そういうふうにできている』新潮文庫さくらさんの妊娠、出産についてのエッセイです。こういう題材って、大変さ&感動の話が描かれるイメージですが、ちびまる子ちゃんが妊娠・出産したらこんな感じだろうなってイメージできます。笑初めて読んだとき電車の中で笑いが堪えきれずニヤニヤしてました(不審者)。ホルモンバランスの影響で、後々考えたら笑えるくらい些細なことで泣いちゃった!とか女性は共感できるところもあるかもしれません。
②風呂で歌をうたう(『ももこの話』集英社文庫)父ヒロシにお風呂で歌を教えるという、超日常のエピソードです。これが全然覚えられなくて、まるちゃんも呆れちゃうんですが、そんなヒロシが愛おしく感じられて、なんか印象に残ってます。
あなたにとって「読書」とはなんですか?
一番は現実逃避です!小説が好きなので、他の世界線に飛ばしてくれる存在としてとても大切。あとは、今回のエッセイのように、自分で処理しきれなかった気持ちに気づかせてくれたり、代弁してくれたり。最近は、登場人物や著者の考え方と照らし合わせて「私ってこういう性格とか考え方なんやなぁ~」と自分を知ることにもつながっています。
今読んでいる本を教えてください
川上弘美『センセイの鞄』
インタビューを受けてみて
感想をまとめるって難しいですね!たぶん後で「あ~これも書きたかった」とか「こう伝えればよかった」とか思ってしまうんでしょうね。笑 でも感想を考えてると、改めて作品の良さや、自分が心揺さぶられた時の感情がよみがえってきたし、言語化することによって自分の考えも整理できてよかったです!インスタ全然更新してなかったけど、また更新していこうと思います✊!
編集後記
今回は、社会人のmikiさんのオススメ本として、さくらももこ『おんぶにだっこ』から『松永君をぶった』を紹介していただきました。小学一年生の時にいじめられっ子だった松永くんをぶってしまったという話です。
mikiさんは、この話でご自身のコンプレックスに向き合うことになったんですね。「傲慢な態度で他人を傷つけてしまった」という罪悪感の存在をを認めて、その傷を抱えて生きていくという選択肢を見つけることができて救われた、という感想が印象に残りました。
さくらももこエッセイは「何かを得てやろう!」と構えながら読むようなものではなく、ゆるく気楽に読めるエッセイというイメージがあります。でも、そうやって無防備な状態で読んだからこそ、心にまっすぐ刺さったんだろうなぁと思いました。
『#本読む私たち』は、毎週木曜日21時の配信を予定しておりますが、遅れることもございます。
次回の配信が決まり次第、毎週日曜日21時に配信している『切実読書週報』にて告知しますのでご確認いただけると幸いです。
『#本読む私たち』は、毎週木曜日21時の配信を予定しておりますが、遅れることもございます。 次回の配信が決まり次第、毎週日曜日21時に配信している『切実読書週報』にて告知しますのでご確認いただけると幸いです。 また、ご応募いただいている方には、アンケートにてご希望いただいた手段にて、順次ご連絡を差し上げております。たくさんの方にご応募いただき、現在2月ごろまで埋まっておりますので、忘れたころに連絡が入る可能性がございます。こまめにDMやメールボックスのご確認をお願いいたします。
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